機能性医学や分子栄養療法を試しても、あと一歩届かない
そんな方へ、私たちの体験をシェアします。
治療の限界と気づき
機能性医学の先生のもとで治療を受け、娘の状態は少しずつ改善しました。
「腸を整え、重金属を排出し、必要な栄養素を補えば、きっとよくなる」——そう信じていた私たちにとって、この先生との出会いは大きな転機でした。
けれど、治療が進むにつれ、ある違和感を抱くようになったのです。
「たしかによくなった。でも、そこから先へ進めない気がする。」
まるで回復の道が途中で止まってしまったかのような感覚。
その思いは、「何かが見落とされているのでは?」という問いへと変わっていきました。
専門家の視点にも限界はある
機能性医学や分子栄養療法は奥深く、人によって反応が異なります。
だからこそ、診断だけで全てを見抜くのは難しいもの。
私たちの治療はコロナ禍でオンライン診療が続き、先生が娘の表情や動作を直接診る機会はありませんでした。
検査を通じて根本原因を探ってくれましたが、脂溶性ビタミンの吸収不良や低トリグリセリドの問題までは拾いきれなかったように思います。
自分で試行錯誤するしかなかった
治療の限界を感じ、「このままでは答えにたどり着けない」と思うようになりました。
タンパク質や脂溶性ビタミンの消化・吸収不良を疑い、先生に相談しましたが、十分に取り合ってもらえませんでした。
それならば、自分で確かめるしかない。
試し、観察し、また次の手を探る——。
専門家だけでは解決しなかった問題を、自分たちでひとつずつ検証していくしかありませんでした。
「知る力」が回復へのカギだった
治療をいったんお休みしてから、私が強く感じたのは、
「もっと知識があれば、先生との治療中にもっと早く回復に近づけたかもしれない」
ということでした。
私は英語での情報収集に不自由がなかったこともあり、
SIBO(小腸内細菌異常増殖症)や消化不良、栄養吸収障害などの情報を、
Reddit(英語圏のユーザーを中心に、さまざまなトピックについて意見を交わす「掲示板型SNS」プラットフォーム)の体験談や海外の機能性医学関連の書籍を読みあさりました。
そうして得た気づきが、先生の治療では拾いきれなかった「あと一歩」を埋めるヒントになったのです。
ズレに気づける患者になる
たとえば「ビタミンDが不足しています」と言われたとき、
それが「腸での吸収不良」なのか、「代謝の問題」なのか、「単なる摂取不足」なのかで、対処法はまったく変わってきます。
知識がなければ、「言われたとおりに飲めばいい」と思ってしまう。
そして、効果がなければ「やっぱり治らない」とあきらめてしまうかもしれません。
それが、いちばんもったいないのです。
どんなに優秀な先生でも、全てを見抜けるわけではありません。
だからこそ、患者自身が小さな“ズレ”に気づき、それを伝えられる力がとても重要だと、今は思います。
回復に必要なのは、「先生」と「自分」——ふたつの視点
信頼できる先生、そして自分で気づく力。
その両方が、回復には必要でした。
今も、その力を育てながら、家族で回復の旅を続けています。